握力は、手首を反らすことで強くなる!
握力が最も発揮されるのは、手首が手の甲側に反った位置です。逆にいうと、最も力が入らないのは手のひら側に曲がった位置です。力を抜いて指を曲げた状態から、反対の手で手首を手のひら側に倒すと自分の意思に反して指は伸び、手の甲側に反らすと自然に指は曲がります。手首を反らすことで、手のひら側にある指を曲げる腱が引っ張られて力が入る仕組みになっています。力を入れる時は、手首を“反らす”ことを心がけましょう。

ヒトの親指
手の親指には、ヒトだけに備わった特殊な機能があります。まずは、ヒトに最も近い動物とされるチンパンジーよりも親指が長いこと。そして、親指を立てて指先だけを曲げることができること。さらには、親指と他指を向かい合わせて“つまむ”ことができること。
特に“つまみ”では、手のひら側の親指の付け根に母指球(親指を曲げる筋肉の集まり)という膨らみがあります。これらが発達しているため、ヒトは細かい作業が可能です。
特に“つまみ”では、手のひら側の親指の付け根に母指球(親指を曲げる筋肉の集まり)という膨らみがあります。これらが発達しているため、ヒトは細かい作業が可能です。

母指球の萎縮は神経障害の兆候?
手のひら側の親指の付け根にある、母指球という膨らみを押してみて下さい。凹みの戻りが遅い時は、親指を曲げる筋肉が萎縮している可能性があります。それらの筋肉を働かせるためには、親指の先を小指の付け根に接触させる運動が有効です。
もし、母指球の萎縮に加えて、手の痺れや親指と人差し指を合わせてきれいな円を作ることができない時は、手の巧緻動作に関係している正中神経の障害が隠れている可能性も考えられます。
もし、母指球の萎縮に加えて、手の痺れや親指と人差し指を合わせてきれいな円を作ることができない時は、手の巧緻動作に関係している正中神経の障害が隠れている可能性も考えられます。

小指と薬指の不調は尺骨神経障害の兆候?
「小指と薬指が痺れる」、「小指と薬指が伸ばしにくい」、「手の甲の骨が目立つ」といった症状はありませんか。これらが当てはまると、握力に関係する神経の障害が隠れているかもしれません。
簡便に調べる方法として、両手で握り拳を作って親指と人差し指で紙を挟み、双方へ引っ張りあってみて下さい。健常であれば、親指は曲がりません。もし、親指が曲がってしまう場合には、尺骨神経障害が疑われますので受診をお勧めします。
・整形外科 手の疾患についてはこちら
簡便に調べる方法として、両手で握り拳を作って親指と人差し指で紙を挟み、双方へ引っ張りあってみて下さい。健常であれば、親指は曲がりません。もし、親指が曲がってしまう場合には、尺骨神経障害が疑われますので受診をお勧めします。
・整形外科 手の疾患についてはこちら

監修
総合大雄会病院
リハビリテーションセンター 技士長
川本 徹(かわもと とおる)
作業療法士
● 所属学会
一般社団法人 日本作業療法士協会、日本作業療法士連盟
一般社団法人 日本股関節学会
臨床の傍ら、大学において運動器疾患のリハビリテーションについて講師(整形外科系障害学・作業療法評価学・作業療法評価学演習など)も務める。
リハビリテーションセンター 技士長
川本 徹(かわもと とおる)
作業療法士
● 所属学会
一般社団法人 日本作業療法士協会、日本作業療法士連盟
一般社団法人 日本股関節学会
臨床の傍ら、大学において運動器疾患のリハビリテーションについて講師(整形外科系障害学・作業療法評価学・作業療法評価学演習など)も務める。
