診療科・部門

透析センター

1970年に血液透析センターを併設して約50年。1000例を超える腎不全患者さまへの透析導入の実績があります。
また学術的にも、透析量(Kt/v)、内部濾過、カルニチン、CAPD排液マーカーなど当院から多くの情報発信をしています。
当院では透析に関わるスタッフ全員が、高度で専門的な知識をもち患者さまのケアに取り組んでいます。
技師、看護師等の学会発表も積極的に行っています。
泌尿器科と透析の病棟があり専門スタッフが常駐しているため、自宅にいるCAPDの患者さまにも24時間体制で電話対応しています。

概要

腎不全の方への血液透析、在宅での腹膜透析(CAPD)にも対応。

透析センターでは、何らかの原因で腎臓本来の働きが果たせなくなった状態(腎不全)の方に対して、身体に不必要な老廃物や過剰な水分を取り除く治療を行っています。
24時間体制で看護師なども高度専門知識をもつチーム医療で在宅の腹膜透析(CAPD)患者さまにも対応しています。

特色

透析79床。高齢化、合併症の対応にも取り組んでいます。

当院では、1970年に血液透析センターを併設し、以来、1069例の腎不全の方へ透析導入を行ってきました。
そのうち糖尿病性腎症を原疾患とするものは全体の43.47%にあたります。最近の傾向は高齢化と糖尿病の増加であって、両者の組み合わせで生じる種々の合併症が高度な医療技術と処置を必要とします。当センターはこうした高齢化・合併症問題について精力的に取り組んできました。
現在は、常勤医5名以外に名古屋大学から腎臓内科医の応援を戴いて診療を行っています。

腹膜透析は30%(全国5%)

1990年頃からは在宅療法の推進を目的に腹膜透析(CAPD)にも力を入れいます。透析導入の約30%に腹膜透析を適用し、現在までに300例以上の導入実績があり、外来維持CAPD患者は約90例です。これは、全国平均の5%弱に対し極めて高い割合です。
腹膜透析(CAPD)導入率(全国との比較)
腹膜透析(CAPD)導入率(全国との比較)
CAPDは初期の合併症に対処できるかどうかが重要で、この問題を克服することによりさらに適用できる患者さまが増えると考えています。

当院における過去20年の腹膜透析患者300例以上の原因は対象の基礎疾患が糖尿病(DM)である割合が32.2%(非DM:DM=230:109)であり、全国平均を見ても2002年の39.1%を最後に以降は40%台が続いており、2012年は44.1%と、圧倒的に糖尿病患者さまが増加していることにあると考えています。

さらに、糖尿病合併症のうち最も困難な結果を招きやすく、最近よく遭遇せざるを得ないのがASO(閉塞症動脈硬化症)です。当院では2003年に創傷ケアセンターを開設し、2013年に血管外科を新たに加え、現在では創傷・血管センターとして、足・下肢血管病変の治療に当たっています。
増加するASOに対処するため、毎週金曜日に、ASOとIVRの特殊カンファレンスを、形成外科医、血管外科医、IVR医と関係部署の医療スタッフを含めて行っています。

その他、心不全、呼吸不全は勿論のこと、基礎疾患の合併症で対応するのに苦慮するポルフィリン、アミロイドーシス、アルポート、糖原病、血友病、担がん患者さまなどにも治療で工夫を凝らしています。
透析関連の2次性副甲状腺の手術(PTX)、手根管解放術、バスキュラーアクセス(シャント)等の手術も対応しています。

診療内容

血液透析(HD)とは

血液透析は一般に週3回程度の通院が必要な治療法で、通常1回4~5時間行われ、月に15回まで保険が適用されます。内シャントという腕の動脈と静脈をつなぎ合わせて太くなった血管に針を刺し、ポンプを使って血液をからだの外に取り出す方法です。取り出された血液は「ダイアライザー」と呼ばれる透析器に運ばれ、尿毒素を除去してミネラルを調節し、余剰な水分を取り除いたあと、体内に戻します。

「ダイアライザー」とは小さな穴が無数に開いた、細いストロー状の膜を約1万本束ねたフィルターの役割を果たすもので、血球成分や蛋白質は通過させず、それよりも小さなものだけが通過するようになっています。その内側に血液が送り込まれ、外側に透析液を流すことで、老廃物や塩分、ミネラル、水分が移動します。ここを通過して不要なものが除去された血液を回路を介して体内に戻します。

さらに当院では、Online HDF、iHDFを試みています。その他、各種疾患で血漿交換を必要な場合の対応をしている実績があります。

腹膜透析

腹膜透析(PD)は、自分の体の中の「腹膜」を利用しながら在宅で行う透析療法です。腹腔内にカテーテルを入れて、透析液を注入しその後一定時間貯留していると、腹膜を介して血液中の老廃物や余剰の水分が腹腔内に移動します。十分に移動した時点で透析液を体外に排出することで、血液が浄化されます。尿毒素を除去してミネラルを調節し、余剰な水分を取り除いたあと、体内に戻します。普段の通院は月に1~2回程度となります。

腹膜透析(PD)には、寝ている間に機械を使って自動的に行う方法(APD)と日中に数回透析液を交換する方法(CAPD)があります。尿量がある間は、β2MG(アミロイドーシスの原因など)の値はHDより優れた治療療法であり、また糖尿病の治療においてもメリット、デメリットを考えて対応しています。

医師紹介

  • 大雄会第一病院 顧問

    山羽 正義

    大雄会第一病院 顧問

    山羽 正義

    ● 主な専門領域
    泌尿器科全般、透析医療全般
    ● 所属学会
    日本泌尿器科学会、日本透析医学会、日本化学療法学会、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
    ● 資格
    日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医・指導医、日本透析医学会専門医、臨床研修指導医
    医学博士
  • 大雄会第一病院 副院長 兼 第一医療安全対策課

    蓑島 謙一

    大雄会第一病院 副院長 兼 第一医療安全対策課

    蓑島 謙一

    ● 主な専門領域
    泌尿器科全般、透析医療全般
    ● 所属学会
    日本泌尿器科学会、日本透析医学会
    ● 資格
    日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医・指導医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、臨床研修指導医
    医学博士
  • 総合泌尿器科 診療部長

    髙木 公暁

    総合泌尿器科 診療部長

    髙木 公暁

    ● 主な専門領域
    泌尿器悪性腫瘍、泌尿器科全般
    ● 所属学会
    日本泌尿器科学会、日本透析医学会、日本癌治療学会、日本泌尿器内視鏡学会
    ● 資格
    日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医・指導医、日本透析医学会透析専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、Da Vinci Console Surgeon、臨床研修指導医
  • 腎臓内科診療部長

    小川 敦史

    腎臓内科診療部長

    小川 敦史

    ● 主な専門領域
    腎臓内科全般
    ● 所属学会
    日本内科学会、日本腎臓学会、日本透析医学会
    ● 資格
    日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医・指導医、臨床研修指導医
  • 総合泌尿器科 医長

    前川 由佳

    総合泌尿器科 医長

    前川 由佳

    ● 主な専門領域
    泌尿器科全般
    ● 所属学会
    日本泌尿器科学会、日本透析医学会、日本泌尿器内視鏡学会
    ● 資格
    日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医・指導医、日本透析医学会透析専門医、日本泌尿器内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、臨床研修指導医
  • 泌尿器科医師

    丹羽 晃二郎

    泌尿器科医師

    丹羽 晃二郎

    ● 主な専門領域
    泌尿器全般
    ● 所属学会
    日本泌尿器科学会、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会

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