診療科・部門

遺伝相談室

概要

遺伝性腫瘍の早期発見や予防に努め、遺伝カウンセリングや遺伝子検査を行います。

遺伝相談室とは、遺伝性腫瘍および遺伝性腫瘍の疑いのある患者さまを対象に、遺伝カウンセリングと遺伝子検査を行っています。
現在遺伝性腫瘍は全がんの5〜10%に認められます。確定診断されますと、有効な個別による治療や予防ができつつあります。
大雄会ではご希望されるご本人やご家族の方に遺伝カウンセリングを行い、早期発見や予防に努めています。また、既往歴があり通院している患者さまや乳がん・大腸がんで入院中の患者さまをはじめ、がんで悩まれている方の中で遺伝性腫瘍を疑う患者さまがいないか家族歴などを聞かせていただき、可能性の高い方に対しては遺伝カウンセリングを受けることを勧めています。

遺伝相談室について

2014年1月より、遺伝性腫瘍および遺伝性腫瘍の疑いのある患者さまを対象に、遺伝カウンセリングと遺伝子検査を行う遺伝相談室を開設しました。
現在、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)、リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)、家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス)を対象として、がんの既往歴がある患者さまの相談を行っています。

遺伝性腫瘍の遺伝カウンセリングにおいては今後より良い予防手段が取れるように以下の情報を提供していきます。
1.本人と家族のがんリスクと原因遺伝子の病的異常が見つかる可能性について
2.遺伝子検査の意義とメリット・デメリット
3.リスク情報と予防方法の選択

対象

現在は、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)、家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス)を対象としています。

予約方法

遺伝相談をご希望の方は、下記にお問い合わせいただくか、あるいは主治医までご相談ください。
予約電話番号 0586-72-1211(代)
       外来入院支援センター
電話受付時間 月〜金 10:00〜16:00


・完全予約制となっております。
・ご予約時に、お名前やご相談内容などをお伺いいたします。
・相談室は自費診療で、保険適応ではありません。
・相談内容および個人情報に関しては、固く保護されています。

主な対象疾患

  • 遺伝性腫瘍
  • 家族性(遺伝性)腫瘍
  • 遺伝性乳がん症候群
  • リンチ症候群
  • 家族性大腸腺腫症

疾患の特徴

遺伝性腫瘍について

遺伝子や遺伝のメカニズムが関与する発症前診断可能な疾患には大きく分けると出生前胎児診断と遺伝性腫瘍症候群があります。

家族内集積性腫瘍症候群はあくまでも家族内に腫瘍患者が集積している状態をしめし、その中でも世代ごとの個人に50%の確率(優性遺伝)でこの遺伝子変異が受け継がれていく腫瘍症候群を遺伝性腫瘍症候群と呼びます。
出典:外部顧問 近畿大学 理工学部 生命科学科 田村和朗客員教授 提供

遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)について

2013年5月、アメリカ合衆国のアンジェリーナ・ジョリーという女優が遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)と診断され、乳がん発症前に両側乳房切除術を受けられたことは、記憶に新しいことと思います。HBOCの場合はBRCA1/2遺伝子の病的変異が原因です。この遺伝子に変異があると若くして乳がんになり、その後、反対側の乳房もがん発症、また卵巣がんを発症するリスクが高くなります。

患者さまのお子さま・ご子息・ご息女に、50%の確率でこの遺伝子変異が受け継がれ、この方もがんのリスクが高くなります。このようにがんのリスクの高い方たちの遺伝カウンセリングの目標は今後のがん発症を予防するということになります。

リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)について

リンチ症候群の方は大腸がんや子宮体がんを発症することが多いのですが、卵巣がんも10%程度の方が発症するといわれています。その他にも、胃がん・小腸がん・泌尿器がんなどの発症もあり、原因となる遺伝子(MLH1、MSH2、MSH6、PMS2など)の変化もすでに分かっています。家系内に大腸がんや子宮体がんを発症したひとはいるけれど、卵巣がんは自分が初めてという方でも、リンチ症候群にあてはまる可能性があります。

家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス)について

家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス)はAPC遺伝子と呼ばれる細胞の増殖分裂を抑える遺伝子の突然変異が原因です。そのため、大腸がんを発生する危険が極めて高い疾患です。25歳までに1%、40歳から60歳までに50%、生涯で90%以上の確率で大腸がんが発生するといわれています。予防的に全大腸切除を行うこともあります。親や兄弟姉妹の中に家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス)患者さまがいる場合、まず大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。

大雄会では、遺伝性腫瘍の問題に対して、カウンセリングや遺伝子検査を行うことで、患者さまおよびご家族(血縁者)により良い医学的管理や予防手段が取れるように情報提供をしていきたいと考えています。

スタッフ紹介

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