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2025年05月07日

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心臓外科診療部長・小林健介医師の論文が「Brazilian Journal of Cardiovascular Surgery」に掲載されました

心臓外科診療部長・小林健介医師の論文が「Brazilian Journal of Cardiovascular Surgery」に掲載されました。

【掲載誌】
Brazilian Journal of Cardiovascular Surgery

【掲載タイトル】
Mini-Sternotomy for Aortic Valve Replacement with Concomitant Ablation of the Pulmonary Vein and Persistent Left Superior Vena Cava: A Case Report
(遺残左上大静脈と肺静脈のアブレーションを併施した大動脈弁置換術を部分胸骨切開で施行した1例)

【概要】
心臓外科手術において胸骨を全長に渡って切開する「胸骨縦切開法」はゴールデンスタンダートであり、すべての術式において非常に良好な手術視野が得られます。しかしその反面で術後の胸郭の動揺による創痛や大きな切開創は、活動的な患者さんや美容上の問題に留意すべき患者さんにとってマイナスとなることもあります。近年は胸腔鏡やロボットを使用して小切開創から手術を行う「低侵襲手術」が多く行われていますが、すべての術式で可能なわけではありません。
今回の症例は大動脈弁狭窄症と発作性心房細動を合併していて、一般的な術式としては大動脈弁置換術(AVR)と肺静脈隔離術(PVI)の適応です。しかしこの患者さんは先天的に上大静脈が左右に存在していて、遺残左上大静脈(PLSVC)のアブレーションも追加施行する必要がありました。PLSVCは発生率が0.21%と少ないためそもそも手術でアブレーションする機会が少なく、さらには低侵襲手術でこれを行った報告はあまりありません。我々は患者さんがサイクリングをするなど活動的であり早期の運動復帰を望んでいたため、胸骨縦切開法に比べて術後の胸郭の安定性に優れると考えられ創部長もより短い、下部部分胸骨切開法によるAVRとPVI, PLSVCアブレーションを同時に行いました。手術手技の詳細とそのピットフォールについて報告して、文献的考察を加えました。

【掲載情報】
Brazilian Journal of Cardiovascular Surgery DOI: 10.21470/1678-9741-2024-0053

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