2025年05月01日
お知らせ心臓外科診療部長・小林健介医師の論文が「Journal of Vascular Surgery」に掲載されました
心臓外科診療部長・小林健介医師の論文が「Journal of Vascular Surgery」に掲載されました。
【掲載誌】
Journal of Vascular Surgery
【掲載タイトル】
Mid-aortic syndrome with major mesenteric collaterals
(腸間膜動脈側副血行路の発達を伴うMid-aortic syndrome)
【概要】
Mid-aortic syndromeとは先天的または後天的要因により、腹部大動脈の高度狭窄や閉塞を生じるものであり、これに伴って腎動脈や腸間膜動脈、下肢の動脈血流などの低下を合併することが多く、腎血管性高血圧や間欠性跛行などの症状を認めることがあります。
本症例は腎動脈の直下で先天的に大動脈が途絶していて、上下の腸間膜動脈が主要な側副血行路として発達した珍しい症例です。特に90歳以上の方の症例報告は珍しく、多くの場合はより若年時期に難治性の腎血管性高血圧や歩行時の下肢虚血症状による活動性の低下などで治療対象となります。
本症例は幸いにも重篤な高血圧症はなく、また幼少期から下肢虚血症状があったものの生活の支障が多大でなかったために長寿となった可能性があります。
今回血管外科学分野で世界的に有名な「Journal of Vascular Surgery」の最新号に本論文の図が表紙絵としても採用されました。