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2021年01月13日

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呼吸器内科顧問・岡澤光芝医師の症例報告論文が医学雑誌「Respiratory Medicine Case Reports」に掲載されました

呼吸器内科顧問・岡澤光芝医師の症例報告の論文が海外の医学雑誌「Respiratory Medicine Case Reports」に掲載されました。

【症例報告論文タイトル】
Rapid and remarkable effectiveness of benralizumab for treating severe bronchial asthma with intractable eosinophilic rhinosinusitis and eosinophilic otitis media: A case report
(好酸球性副鼻腔炎、好酸球性中耳炎を伴った重症喘息に対するベンラリズマブの著明で速やかな効果)

【概要】
重症気管支喘息とは、ロイコトリエン受容体拮抗薬、テオフィリン、長時間作用型ムスカリン受容体阻害薬吸入薬のみならず、最大容量の吸入ステロイド薬の吸入コンプライアンスが良好で、吸入手技が適切であるにも関わらず、喘息症状が発生する病態を示す。
その中でも、たびたび発作が発生し、経静脈的または経口ステロイド薬がしばしば必要となるようなコントロール不能な喘息は約2.5%存在する。
一方慢性好酸球性副鼻腔炎は、篩骨洞を中心として分泌物の貯留、治療不能な鼻茸などを特徴とし、組織には著名な好酸球が浸潤することが特徴的である。
鼻閉、鼻汁や頭痛などの症状は抗炎症剤や、マクロライド長期間投与や副腎皮質ホルモンの点鼻でコントロール不能であり、経口ステロイド薬が必要になることもある。
さらに好酸球性中耳炎は、多数の好酸球による中耳の炎症を主体とし、しばしば鼓膜穿孔によりニカワ状の耳漏をきたし、ステロイド点耳や鼓膜チューブ挿入などの一般的治療によってもコントロールが不良で、進行すると聴力障害にまで至るため症状の強いときには経口ステロイド薬が必要となる。
この3病態に共通するのが、2型アレルギーすなわちIL4, IL5,IL13が炎症で好酸球浸潤が病態の中心となる。
本症例は、この3病態が同時に発生しQOLが非常に低下したため、IL5受容体に対する抗体であるベンラリズマブを投与した。
本抗体はIL5α阻害により、好酸球の発育・浸潤を阻害するのみでなく、ナチュラルキラーT細胞、マクロファージージ、好中球のFcγRIIIaをブロックすることでAntibody dependent cellular cytotoxicityにより好酸球を攻撃する作用もあり、血中組織から速やかに好酸球が消失する。
本抗体投与後1Mにて3病態による症状は著明に改善したため報告した。

【掲載情報】
ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2213007120305505

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