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2022年11月24日

お知らせ

泌尿器科診療部長・髙木公暁医師の論文が医学雑誌「Nutrients」に掲載されました

泌尿器科診療部長・髙木公暁医師の論文が、医学雑誌「Nutrients」に掲載されました。

【掲載誌】
Nutrients 2022 Vol.14, Issue 11

【掲載タイトル】
Prognostic Value of the Controlling Nutritional Status (CONUT) Score in Patients at Dialysis Initiation
(透析導入期の患者のCONUTスコアの予後的価値)

【概要】
蛋白・エネルギー消費状態 (protein-energy wasting; PEW) は、慢性腎不全(CKD)患者によくみられる病態で予後に影響します。CONUTスコアは、アルブミン値、リンパ球数、総コレステロール値の血液検査データのみを使用して計算される栄養評価ツールです。本研究では、透析導入期の患者におけるCONUTスコアの予後的価値を調査しました。

当院で透析導入した311 人の慢性腎不全患者を対象としています。これらのうち栄養状態が正常であると評価された患者は27人(8.7%)のみでした。CONUTスコアは、CRP値上昇とも独立して相関していました(β=0.485、p<0.0001)。経過観察期間の中央値は37 か月であり、経過観察中に100 人の患者(32.2%)が死亡しました。CONUT スコアは、全死因死亡率の独立した予測因子でした (調整ハザード比 1.13、95% 信頼区間 1.04–1.22、p < 0.0024)。
従来から知られた予後因子である年齢、BMI、CRP値などを用いた予後予測モデルにCONUTスコアを加えた場合のNRI(net reclassification improvement)(0.285、p = 0.028)およびIDI(integrated discrimination improvement)(0.025、p = 0.023)が大幅に改善されました。

CONUT スコアは、透析療法透析導入期の慢性腎不全患者の全死因予後予測精度を向上させ、全死因死亡を強力に予測することが示されました。さらに、CONUTスコアは、心血管死の予後因子とはならないものの感染症死の有意な予後因子でした。結論としてCONUTスコアは臨床的有用性の高いPEWのマーカーとなりえ、さらに透析導入期の慢性腎不全患者の予後予測に役立ちます。

【掲載情報】
Nutrients 2022
Vol.14, Issue 11 (May 2022)
https://www.mdpi.com/2072-6643/14/11/2317

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