新着情報

2026年10月05日

お知らせ

放射線科医長・渡邊祐衣医師の論文が「Advances in Radiation Oncology」に掲載されました

放射線科医長・渡邊祐衣医師の論文が「Advances in Radiation Oncology」に掲載されました。

【掲載誌】
Advances in Radiation Oncology

【掲載タイトル】
Incremental Value of Radiation Dose for Prognostic Stratification Beyond Performance Status in Palliative Radiation Therapy for Bone Metastases
(骨転移に対する緩和的放射線治療における全身状態と放射線量の情報を組み合わせた生存予測の精度向上)

【概要】
骨転移による痛みを和らげるために広く行われている緩和的放射線治療では、患者さんの全身状態や今後の生存の見通し、症状などを考慮し、さまざまな放射線量や治療回数が選択されます。全身状態の評価には、日常生活でどの程度活動できるかを示す指標であるPS(performance status)が用いられます。PSは、がん患者さんの生存の見通しを評価するうえで重要な指標です。しかし、PSだけで生存の見通しを予測する場合に比べ、治療のために決められた放射線量(処方線量)の情報も組み合わせることで、予測精度が高まるかどうかは、十分に検討されていませんでした。

そこで本研究では、当院で2013年から2024年までに骨転移に対する緩和的放射線治療を受けた423人の患者さんを対象に、治療開始時のPSと処方線量の組み合わせにより、「PSが良好で線量が高い」「PSが良好で線量が低い、またはPSが不良で線量が高い」「PSが不良で線量が低い」の3つのグループに分け、治療開始後の生存期間を比較しました。その結果、PSと処方線量を組み合わせることで、生存の見通しが異なる3つのグループを区別でき、PSだけを用いる場合より生存予測の精度が高まることがわかりました。がんの種類による分類や、骨以外への転移の状況で分けた場合にも、グループ間の生存期間の違いは残りました。

本研究の意義は、日常の診療で得られるPSと処方線量の情報を組み合わせ、PSだけでは捉えきれない生存の見通しの違いを、より詳しく評価できる可能性を示した点にあります。全身状態が似ている患者さんでも見通しは一様ではなく、処方線量が追加の手がかりとなると考えられます。今後、こうした情報をがんの種類や転移の状況などと合わせて考えることで、患者さん一人ひとりの状況に応じた治療やケアを検討する際の判断材料として役立てることが期待されます。

【掲載情報】
https://doi.org/10.1016/j.adro.2026.102170

・放射線科(治療部門)のページはこちら

ページ
上部へ