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2026年05月08日

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放射線科医長・渡邊祐衣医師の論文が「In Vivo」に掲載されました

放射線科医長・渡邊祐衣医師の論文が「In Vivo」に掲載されました。

【掲載誌】
In Vivo

【掲載タイトル】
Impact of Heart Dose on Survival in Palliative Radiotherapy for Bone Metastases: Propensity Score-matched Analysis
(骨転移に対する緩和照射における心臓線量と生存期間の関連:傾向スコアマッチング解析)

【概要】
骨転移は痛みなどの症状を引き起こすことがあり、症状を和らげる目的で放射線治療(緩和的放射線治療)が行われます。胸椎、肋骨、胸骨など心臓に近い部位を治療する場合、照射範囲によっては心臓にも一定量の放射線が当たることがあります。本研究では、2013年から2022年に当院で骨転移に対する緩和的放射線治療を受けた303人の患者さんを対象に、心臓に当たった平均放射線量(平均心臓線量)と治療後の生存期間との関連を検討しました。比較にあたっては、全身状態、がんの種類、骨転移の数、他の臓器への転移の状況など、生存期間に影響しうる患者さんの背景をできるだけそろえる統計手法である傾向スコアマッチングを用いました。その結果、背景をそろえた解析において、平均心臓線量が5Gy(グレイ)以上であった患者さんでは、5Gy未満であった患者さんと比べて、3年間の追跡期間における生存率が有意に低いことが分かりました。
これまで、治癒を目指す胸部の放射線治療(根治的放射線治療)では、心臓に当たる放射線量が治療後の経過に影響する可能性が報告されていました。一方で、比較的少ない線量で行われる緩和的放射線治療において、心臓線量と生存期間との関連は十分に検討されていませんでした。本研究は、骨転移に対する緩和的放射線治療においても、心臓への不要な照射をできる限り少なくすることが、患者さんの長期的な経過に関わる可能性を示した点に意義があります。緩和的放射線治療においても、治療効果だけでなく心臓などの正常臓器への影響に配慮し、必要に応じてより精密な照射技術を活用した治療計画を立てることの重要性が示唆されました。

【掲載情報】
https://doi.org/10.21873/invivo.14323

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