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2025年10月02日

お知らせ

大雄会医科学研究所・菊池有純室長が「日本ハイパーサーミア学会第42回大会」で発表を行いました

大雄会医科学研究所・菊池有純室長が「日本ハイパーサーミア学会第42回大会」のシンポジウム2「がん温熱療法を用いたセラノスティクスのキーテクノロジー」において「リキッドバイオプシーの有用性と課題」について発表しました。

【概要】
リキッドバイオプシーは、血液、尿、唾液などの液状試料中に含まれる遊離核酸や細胞外小胞(extracellular vesicles: EVs)由来の核酸やタンパク質を解析する技術であり、低侵襲かつ反復的な検体採取が可能である点において、従来の組織生検に対して明確な優位性を有する。近年では、循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA: ctDNA)、循環腫瘍細胞(circulating tumor cells: CTC)、EVs などを対象とした研究が進展しており、がんをはじめとする多様な疾患への応用が期待されている。さらに、全身性疾患、神経変性疾患、感染症などにおける活用例も報告されており、その汎用性の高さと臨床的ポテンシャルの広がりが注目を集めている。
一方で、臨床応用に向けては、検体処理手順や解析技術の標準化、再現性の確保、信頼性の向上といった技術的課題が依然として残されている。特に、試料に由来する成分のばらつきや前処理条件が解析結果に与える影響は大きく、これらを克服するための国際的な標準化に向けた取り組みも進行中である。

講演では、リキッドバイオプシーの現状と主要な解析対象、臨床応用例、ならびに課題と将来的な展望について概説し、個別化医療や早期診断に資する次世代型診断技術としての可能性を考察しました。また、当法人が開発した「ポリアミン溶液を用いた遊離核酸およびEVsの回収法」についても紹介しました。

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